TTS
Text-To-Speech。テキスト読み上げシステム全体。 音声合成のモデルに加え、 前処理と制御を含む。
前段のテキスト処理#
音響モデルに入れる前に、テキストを整える必要がある。
| 処理 | 例 |
|---|---|
| 正規化 | 「2024年」→「にせんにじゅうよねん」 |
| 読み推定 | 「行った」→ いった / おこなった |
| アクセント推定 | 日本語の高低アクセント |
| 分かち書き | 形態素解析 |
日本語はここが特に難しい。 漢字の読みが文脈依存で、アクセントも語の結合で変化する。 英語の TTS より前処理の比重が大きい。
話者性の制御#
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| 単一話者 | 1 人の声だけ。高品質 |
| 多話者 | 話者埋め込みで切り替える |
| ゼロショット | 数秒の参照音声から未知の話者を再現 |
VALL-E は音声を離散トークンとして扱い、 言語モデルの枠組みで 3 秒の参照音声から話者を再現できることを示した。
評価#
主観評価が基本。MOS(Mean Opinion Score、5 段階)が標準指標。 自然さは客観指標で測りにくく、 人間の聴取実験が依然として必要とされる。
倫理的な問題#
数秒の音声で声を複製できるようになったことで、 なりすましの危険が現実になった。
- 電話での本人確認の無効化
- 政治家などの偽の発言音声
音声の透かし、検出モデル、 学習データの同意取得といった対策が議論されている。 技術の進歩が先行し、制度が追いついていない領域。
参考文献#
- Chengyi Wang et al. Neural Codec Language Models are Zero-Shot Text to Speech Synthesizers (VALL-E). 2023. https://arxiv.org/abs/2301.02111
- Yi Ren et al. FastSpeech 2: Fast and High-Quality End-to-End Text to Speech. ICLR, 2021. https://arxiv.org/abs/2006.04558
- ITU-T Recommendation P.800. Methods for subjective determination of transmission quality. https://www.itu.int/rec/T-REC-P.800-199608-I/en