量子誤り訂正
ノイズによる誤りを検出して訂正する技術。複製不可能・測定が壊す・誤りが連続という3つの障害を越える必要がある。
ノイズによる誤りを検出して訂正し、正しい計算を続ける技術。 大規模な量子計算に不可欠。
古典との違い#
古典なら「3 個にコピーして多数決」で済む。 量子では 3 つの障害がある。
| 障害 | 内容 |
|---|---|
| 複製不可能 | 未知の状態をコピーできない |
| 測定が壊す | 誤りを見ようとすると状態が壊れる |
| 誤りが連続 | ビット反転だけでなく任意の微小回転が起きる |
3 つの解決#
- コピーせず、もつれで分散させる — 情報を複数の量子ビットの相関に埋める
- シンドローム測定 — 状態そのものではなく 「誤りが起きたか」だけを測る。補助量子ビットを使う
- 離散化 — 任意の誤りは の重ね合わせに分解でき、 測定によりどれかに射影される。 だからビット反転と 位相反転を直せば十分
3 番目が特に重要で、連続的な誤りが離散的な問題に還元される。 これが量子誤り訂正を可能にした鍵。
代償#
1 つの論理量子ビットに 数百〜数千の物理量子ビットが要る。 これが実用化を遠ざけている最大の要因。
参考文献#
- Barbara M. Terhal. Quantum error correction for quantum memories. Reviews of Modern Physics 87(2), 2015. https://doi.org/10.1103/RevModPhys.87.307
- Austin G. Fowler et al. Surface codes: Towards practical large-scale quantum computation. Physical Review A 86(3), 2012. https://doi.org/10.1103/PhysRevA.86.032324
- Michael A. Nielsen, Isaac L. Chuang. Quantum Computation and Quantum Information. Cambridge University Press, 2010. https://doi.org/10.1017/CBO9780511976667