VQEによる最適化

VQEによる最適化

執筆済 最適化量子計算VQE

量子回路のパラメータを古典最適化器で調整するという枠組みを、 最適化の側から見たもの。Variational Quantum Eigensolver。

minθψ(θ)|H|ψ(θ)

Peruzzo らが 2014 年に提案した。詳しい仕組みは 量子アルゴリズム側の VQE を参照。

最適化問題として何が特殊か#

VQE のパラメータ探索は、古典的な最適化問題として見ると かなり厳しい条件が揃っている。

条件 内容 効いてくること
評価が確率的 期待値は有限ショットの標本平均 値の比較そのものが不確か
評価が高価 1 点あたり多数のショットと回路実行 評価回数を절約する必要
勾配が高い パラメータシフト則で 𝒪(p) 回の回路評価 勾配法が割に合わない
非凸 局所解が多数 初期値依存が強い
barren plateau 勾配の分散が量子ビット数に対し指数的に減衰 そもそも進めない

手法の選択#

これらの条件から、実際に使われる最適化器は絞られる。

  • SPSA — 次元によらず 2 回の評価で勾配を近似。 ノイズを前提とした設計。Qiskit の既定手法のひとつ
  • CMA-ES — 順位のみを使うためノイズに比較的頑健
  • Nelder-Mead — 値の大小比較で動くため ノイズに弱く、実機では不安定になりやすい

比較実験は量子化学 VQA での最適化器ベンチマークノイズ景観での最適化戦略のメモを参照。

barren plateau#

McClean らは、ランダムに初期化された深い回路では 勾配の分散が量子ビット数に対して指数的に減衰することを示した。 平坦な景観では勾配法もランダム探索も等しく進めないため、 最適化器を変えるだけでは解決しない。 回路構造(Ansatz)や初期化の工夫が要る、という問題設定になっている。

参考文献#

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