量子シミュレーションの基礎
やること#
初期状態 を用意し、 ハミルトニアン のもとで時間発展させ、観測量を測る。
3 段階#
| 段階 | 課題 |
|---|---|
| 状態準備 | 興味ある初期状態をどう作るか |
| 時間発展 | をどう実装するか |
| 測定 | 何を測れば知りたいことが分かるか |
状態準備が難所になることが多い。 基底状態から始めたい場合、それを求めること自体が VQE や QPE の問題になる。
何が分かるか#
- 静的な性質 — 基底エネルギー、相図、秩序変数
- 動的な性質 — 相関関数、輸送係数、緩和過程
動的な性質は古典手法が特に苦手とする(符号問題、実時間発展)ため、 量子シミュレーションの優位性が出やすいと考えられている。
計算量#
-局所なハミルトニアン(各項が高々 個の量子ビットに作用)なら、 は多項式個のゲートで近似できる。 Lloyd が 1996 年に示した。
これが「量子シミュレーションは効率的」の根拠。 一般のユニタリは指数的なゲートを要するので、 物理的なハミルトニアンの局所性が効いている。
参考文献#
- Seth Lloyd. Universal Quantum Simulators. Science 273(5278), 1996. https://doi.org/10.1126/science.273.5278.1073
- Iulia M. Georgescu, Sahel Ashhab, Franco Nori. Quantum simulation. Reviews of Modern Physics 86(1), 2014. https://doi.org/10.1103/RevModPhys.86.153
- Michael A. Nielsen, Isaac L. Chuang. Quantum Computation and Quantum Information. Cambridge University Press, 2010. https://doi.org/10.1017/CBO9780511976667