Hamiltonian Simulation
を量子回路として実装する問題。 量子シミュレーションの中核。
難しさ#
と項に分かれていても、 項どうしが交換しない()ため
各項の指数関数は簡単に実装できるのに、 単純に掛けても正しくない。
主な手法#
| 手法 | ゲート数 | 特徴 |
|---|---|---|
| Trotter-Suzuki | 単純。実装しやすい | |
| LCU (線形結合) | 精度依存が対数 | |
| 量子ウォーク / qubitization | 最適に近い | 理論的に洗練 |
| QSVT | 統一的な枠組み | 多くの手法を包含 |
精度 への依存が Trotter では多項式、LCU 以降は対数になるのが大きな違い。 高精度が要る場面では後者が有利。
下限#
時間 に対して のクエリが必要(no fast-forwarding 定理)。 時間発展を「早送り」することはできない。 現代の手法はこの下限にほぼ到達している。
NISQ での現実#
LCU や qubitization は補助量子ビットと深い回路を要するため、 現在の実機では実行できない。 NISQ 期にはTrotter 分解の 浅いステップ数で試すのが現実解になっている。
参考文献#
- Dominic W. Berry et al. Simulating Hamiltonian dynamics with a truncated Taylor series. Physical Review Letters 114(9), 2015. https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.114.090502
- Guang Hao Low, Isaac L. Chuang. Hamiltonian Simulation by Qubitization. Quantum 3, 2019. https://doi.org/10.22331/q-2019-07-12-163
- Iulia M. Georgescu, Sahel Ashhab, Franco Nori. Quantum simulation. Reviews of Modern Physics 86(1), 2014. https://doi.org/10.1103/RevModPhys.86.153