探索分布
次にどこを調べるかを確率分布として表すという考え方。
決定的に「次はここ」と決める代わりに、分布 から引く。 分布のパラメータ を更新することが、探索の学習そのものになる。
分布で持つ利点#
- 不確かさを表現できる — 広い分布は「まだ分からない」、狭い分布は「ここだと確信」
- 更新が滑らか — 1 回の悪い評価で探索方針が壊れない
- 勾配が定義できる — 分布のパラメータについては微分できる
最後の点が重要で、 自体は微分できなくても は について微分できる。 これを使って を勾配法で更新するのが自然勾配法系の考え方 (Natural Evolution Strategies)。 CMA-ES の更新式も、 この枠組みから近似的に導けることが知られている。
分布の選び方#
| 分布 | 手法 | 表現できること |
|---|---|---|
| 多変量正規分布 | CMA-ES | 中心・広がり・相関 |
| 対角のみの正規分布 | sep-CMA-ES | 中心・軸ごとの広がり |
| 集団そのもの(暗黙) | DE、ABC | 標本の散らばり |
| ガウス過程の事後分布 | ベイズ最適化 | 関数そのものの不確かさ |
表現力を上げると学習に必要な標本数が増える。 正規分布の共分散は 個のパラメータを持つので、 高次元では対角に落とす判断が要る。
参考文献#
- Daan Wierstra et al. Natural Evolution Strategies. JMLR 15, 2014. https://jmlr.org/papers/v15/wierstra14a.html
- Yann Ollivier et al. Information-Geometric Optimization Algorithms: A Unifying Picture via Invariance Principles. JMLR 18, 2017. https://arxiv.org/abs/1106.3708