イジングモデル
スピンが の 2 値を取り、隣接するスピン間に相互作用があるという統計物理の模型。
- … 結合定数。正なら同じ向きが得(強磁性)、負なら逆向きが得(反強磁性)
- … 局所磁場。スピンを一方へ傾ける外部の力
最適化との関係#
を最小にするスピン配置を求めることが、そのまま QUBOと等価な組合せ最適化になる。 変換は という一次の置き換えだけ。
フラストレーション#
すべての相互作用を同時に満たせない状況。 三角形の 3 辺すべてが反強磁性だと、どう配置しても 1 辺は不満が残る。
フラストレーションがあると基底状態が多数になり、 エネルギー地形が凹凸だらけになる。これが 局所最適解の多さに対応する。 スピングラスと呼ばれるこの状態の基底状態探索が NP 困難であることが、 組合せ最適化の難しさの物理的な言い換えになっている。
歴史#
強磁性を説明するために Lenz が考案し、Ising が 1925 年に 1 次元の場合を解いた(相転移は起きないという結論)。 Onsager が 1944 年に 2 次元の厳密解を与え、相転移の存在を示した。 3 次元は厳密解が知られていない。
参考文献#
- Ernst Ising. Beitrag zur Theorie des Ferromagnetismus. Zeitschrift für Physik 31, 1925. https://doi.org/10.1007/BF02980577
- Lars Onsager. Crystal Statistics. I. A Two-Dimensional Model with an Order-Disorder Transition. Physical Review 65(3-4), 1944. https://doi.org/10.1103/PhysRev.65.117
- Andrew Lucas. Ising formulations of many NP problems. Frontiers in Physics 2, 2014. https://doi.org/10.3389/fphy.2014.00005