HHL

HHL

執筆済 量子アルゴリズムHHL

連立一次方程式 Ax=b を解く量子アルゴリズム。 Harrow、Hassidim、Lloyd が 2009 年に提案した。

𝒪(log(N)s2κ2/ϵ)

N が次元、s が疎性、κ条件数。 古典の 𝒪(Nsκ) に対し、 N について指数的に速いように見える。

仕組み#

  1. |b を用意する
  2. 量子位相推定A の固有値を取り出す
  3. 固有値の逆数を振幅に載せる(制御回転)
  4. 位相推定を巻き戻す

A=λi|uiui| に対し A1=λi1|uiui| を作る、という発想。

但し書きが多い#

「指数的に速い」を額面通り受け取ってはいけない。 Aaronson が整理した注意点。

条件 内容
入力 b を効率的に準備できる必要がある
出力 得られるのは x という量子状態。全成分は読めない
疎性 A が疎でなければ加速が失われる
条件数 κ に依存。悪条件だと遅い

出力が量子状態なので、 x の全成分を知りたいなら N 回の測定が要り、加速が消えるx|M|x のような要約量を求める用途に限られる。

量子機械学習への影響#

HHL は一時期「量子機械学習」の基盤として注目されたが、 Tang らによる脱量子化 (dequantization) の研究により、 同様の仮定を置けば古典アルゴリズムでも 同等の計算量が達成できる例が複数示された。

これにより、期待されていた加速の一部が失われた。 入出力の仮定が加速の源だったという教訓を残した事例。

参考文献#

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