確率的勾配降下法
データの一部だけで勾配を推定して更新する手法。SGD。
は無作為に選んだ 1 標本(またはミニバッチ)に対する損失。
なぜ一部で済ませるのか#
機械学習の目的関数は という平均の形。 全データで勾配を計算すると 1 回の更新に かかる。 標本を 1 つ選べば、その勾配は真の勾配の不偏推定量になる。
同じ計算量でずっと多く更新できるので、全体としては速い。 が数百万のとき、この差は決定的。
起源#
Robbins と Monro が 1951 年に提案した確率的近似が源流。 ノイズのある観測から根を求める枠組みで、 収束のためのステップサイズ条件を与えた。
前者は「どこへでも到達できる」、後者は「ノイズが均される」ことを保証する。 がこれを満たす代表例。 SPSA のゲイン列も同じ枠組みにある。
ノイズの役割#
推定した勾配のばらつきは欠点だけではない。 鞍点や浅い局所解から揺らぎによって抜け出せることがあり、 非凸な深層学習では有利に働くと考えられている。
参考文献#
- Herbert Robbins, Sutton Monro. A Stochastic Approximation Method. The Annals of Mathematical Statistics 22(3), 1951. https://doi.org/10.1214/aoms/1177729586
- Léon Bottou, Frank E. Curtis, Jorge Nocedal. Optimization Methods for Large-Scale Machine Learning. SIAM Review 60(2), 2018. https://doi.org/10.1137/16M1080173
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville. Deep Learning, Chapter 8. MIT Press, 2016. https://www.deeplearningbook.org/