測定
量子系から古典的な情報を取り出す操作。 量子力学で唯一、非ユニタリな過程。
射影測定#
観測量 ( は射影演算子)を測ると
- 結果 が得られる確率 …
- 測定後の状態 …
測定は状態を変える。 これが古典との決定的な違い。
不可逆で、繰り返せない#
同じ状態を 2 回測ることはできない。 1 回目で状態が壊れるため。
期待値を推定するには、同じ状態を何度も作り直して測る必要がある。 これがVQE で ショット数が実行時間を支配する理由。 ショットで精度 (二項分布)。
基底の選択#
何を測るかはどの基底で測るかで決まる。
| 基底 | 測る観測量 |
|---|---|
| 。計算基底 | |
実機は計算基底の測定しか持たないことが多いので、 を測りたければ測定前に基底変換のゲートをかける。 VQE でハミルトニアンをパウリ項に分解したあと、 項ごとに異なる測定回路が要るのはこのため。
複製不可能定理#
未知の量子状態を複製するユニタリは存在しない。 線形性から直ちに証明できる。
このため「測る前にコピーしておく」ができない。 量子誤り訂正が古典と根本的に違う設計になる理由でもある。
参考文献#
- Michael A. Nielsen, Isaac L. Chuang. Quantum Computation and Quantum Information, 10th Anniversary Edition. Cambridge University Press, 2010. https://doi.org/10.1017/CBO9780511976667
- William K. Wootters, Wojciech H. Zurek. A single quantum cannot be cloned. Nature 299, 1982. https://doi.org/10.1038/299802a0
- John Preskill. Quantum Computation Lecture Notes (Caltech Ph219/CS219) https://www.preskill.caltech.edu/ph219/