デコヒーレンス

デコヒーレンス

執筆済 量子情報ノイズ

環境との相互作用により、量子的な重ね合わせが失われる現象。

密度行列非対角成分が減衰することとして記述される。

(ρ00ρ01ρ10ρ11)(ρ0000ρ11)

非対角成分(コヒーレンス)が消えると、 重ね合わせが確率混合に劣化する。 干渉が起きなくなり、古典的に振る舞うようになる。

2 つの時間スケール#

記号 名前 何が起きるか
T1 エネルギー緩和 10。励起状態が落ちる
T2 位相緩和 位相の情報が失われる

一般に T22T1。 実機の性能はこれらの時間と、ゲート時間の比で決まる。 コヒーレンス時間内に何回ゲートをかけられるかが 回路の深さの上限を与える。

なぜ古典世界は古典的か#

デコヒーレンスは、 「マクロな物体はなぜ重ね合わせに見えないのか」への 標準的な説明になっている。 系が大きいほど環境との結合が強く、 デコヒーレンス時間が極端に短くなるため。

猫のようなマクロな系では 1020 秒以下と見積もられ、 観測する余地が無い。

量子計算での意味#

デコヒーレンスは量子計算の最大の敵。 これに対抗する方針が 3 つある。

  1. コヒーレンス時間を延ばす(ハードウェアの改善)
  2. 回路を浅くする(VQE などの NISQ アルゴリズム)
  3. 誤り訂正する(大量の量子ビットが要る)

現在は 1 と 2 の段階にある。

参考文献#

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