量子エンタングルメント
物理としてのもつれを、 情報資源として定量的に扱う視点。
定量化#
2 部系の純粋状態なら、部分トレースした エントロピーで測る。
混合状態では定義が一意でなくなり、 形成のエンタングルメント、蒸留可能エンタングルメント、 負性 (negativity) など複数の尺度が併存する。
資源としての性質#
エンタングルメントは局所操作と古典通信 (LOCC) では増やせない。 つまり「消費される資源」として振る舞う。
この性質から、量子テレポーテーション、超密度符号化、 量子鍵配送といったプロトコルが「もつれを何ビット消費するか」で 定量的に議論できる。
計算における役割#
| 主張 | 現状 |
|---|---|
| もつれが無ければ古典シミュレートできる場合がある | 概ね正しい(テンソルネットワーク) |
| もつれが多いほど速い | 正しくない |
| もつれは高速化の必要条件に近い | おおむね支持されている |
最大もつれ状態はランダムに近く、計算には使いにくい。 適切な構造を持ったもつれが必要、という理解が現在の主流。
参考文献#
- Ryszard Horodecki et al. Quantum entanglement. Reviews of Modern Physics 81(2), 2009. https://doi.org/10.1103/RevModPhys.81.865
- Michael A. Nielsen, Isaac L. Chuang. Quantum Computation and Quantum Information, 10th Anniversary Edition. Cambridge University Press, 2010. https://doi.org/10.1017/CBO9780511976667
- Mark M. Wilde. Quantum Information Theory, 2nd ed. Cambridge University Press, 2017. https://doi.org/10.1017/9781316809976