量子ノイズ
実機の量子ビットに生じる誤りの総称。 量子チャネルとして数学的に記述される。
種類#
| 種類 | 内容 | 時定数 |
|---|---|---|
| エネルギー緩和 | ||
| 位相緩和 | 位相情報の喪失 | |
| ゲート誤り | ゲート操作の不完全さ | 誤り率で表す |
| 読み出し誤り | 測定結果の誤読 | 数 % |
| クロストーク | 隣接ビットへの漏れ | — |
現在の水準#
おおよその目安(方式・世代で大きく変わる)。
| 項目 | 典型値 |
|---|---|
| 1 量子ビットゲート誤り | |
| 2 量子ビットゲート誤り | |
| 読み出し誤り |
2 量子ビットゲートが 1 桁悪いのが共通した傾向。
何を制限するか#
誤り率 のゲートを 個直列に並べると、 成功確率はおよそ 。
なら で 信号がノイズに埋もれる。 これが NISQ 期の回路深さの上限を与えている。
3 つの対処#
| 方策 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| ハードウェア改善 | 誤り率を下げる | 進行中 |
| 誤り緩和 (mitigation) | 後処理で期待値を補正 | NISQ での主力 |
| 誤り訂正 (correction) | 冗長化して誤りを訂正 | 資源が足りない |
誤り緩和は訂正ではない。 ゼロノイズ外挿や確率的誤り相殺は、 多数回の測定と後処理で期待値の偏りを補正するが、 サンプリングコストが指数的に増える。 根本的な解決は誤り訂正を待つ必要がある。
参考文献#
- John Preskill. Quantum Computing in the NISQ era and beyond. Quantum 2, 2018. https://doi.org/10.22331/q-2018-08-06-79
- Zhenyu Cai et al. Quantum error mitigation. Reviews of Modern Physics 95(4), 2023. https://doi.org/10.1103/RevModPhys.95.045005
- Kishor Bharti et al. Noisy intermediate-scale quantum algorithms. Reviews of Modern Physics 94(1), 2022. https://doi.org/10.1103/RevModPhys.94.015004