フェルミオン系
電子などフェルミオンからなる系のシミュレーション。
何が特別か#
フェルミオンは反交換するため、 量子ビット(交換する)へ写すのに 変換が要る。 その際に非局所的な の連鎖が生じる。
古典手法の壁 — 符号問題#
量子モンテカルロでフェルミオン系を扱うと、 被積分関数の符号が正負に振れて打ち消し合いが起きる。
統計誤差が系のサイズと逆温度に対して指数的に増大するため、 実質的に計算できなくなる。 これが符号問題で、多くのフェルミオン系で発生する。
符号問題は NP 困難であることが知られており、 一般的な解決は期待できない。 量子シミュレーションが期待される最大の理由がここにある。
何を計算するのか#
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 基底状態 | 分子、Hubbard 模型 |
| 動的相関関数 | スペクトル関数、輸送係数 |
| 有限温度 | 熱力学量 |
資源の見積もり#
Hubbard 模型は相互作用が局所的なので、 分子ハミルトニアン( 項)より はるかに扱いやすい。
このため量子シミュレーションの最初の実用標的として Hubbard 模型がよく挙げられる。
参考文献#
- Matthias Troyer, Uwe-Jens Wiese. Computational Complexity and Fundamental Limitations to Fermionic Quantum Monte Carlo Simulations. Physical Review Letters 94(17), 2005. https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.94.170201
- Sam McArdle et al. Quantum computational chemistry. Reviews of Modern Physics 92(1), 2020. https://doi.org/10.1103/RevModPhys.92.015003
- Iulia M. Georgescu, Sahel Ashhab, Franco Nori. Quantum simulation. Reviews of Modern Physics 86(1), 2014. https://doi.org/10.1103/RevModPhys.86.153