フェルミ・ハバードモデル

フェルミ・ハバードモデル

執筆済 量子化学物性

格子上の電子の、最小限の模型。

H=ti,j,σ(ciσcjσ+h.c.)+Uinini
  • t … ホッピング。隣の格子点へ飛び移る
  • U … 同じ格子点に上下スピンが同居するときの反発

たった 2 つのパラメータで、金属絶縁体転移、磁性、 そして高温超伝導の候補とされる物理を含む。

なぜ重要なのか#

単純なのに解けない。 1 次元では厳密解があるが、 2 次元では解析解が無く、数値的にも 符号問題により量子モンテカルロが破綻する領域がある。

高温超伝導の機構を説明できるかが数十年の未解決問題で、 凝縮系物理の中心的な題材になっている。

U/t が支配する#

領域 振る舞い
U/t1 電子が動きやすい。金属的
U/t1 反発で動けない。Mott 絶縁体
中間 最も難しい。競合する秩序

中間領域では複数の状態がエネルギー的に拮抗し、 静的相関が強い。 古典的な近似手法が最も苦手とするところ。

量子計算の標的として#

分子ハミルトニアンより構造が単純(相互作用が局所的)なので、 項数が 𝒪(M4) にならず、 Trotter 分解も効率的にできる。

このため量子シミュレーションの最初の実用的標的として しばしば挙げられる。冷却原子系による量子シミュレータでも 実験が進んでいる。

参考文献#

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