分子ハミルトニアン

分子ハミルトニアン

執筆済 量子化学

BO 近似第二量子化のもとで、 分子の電子ハミルトニアンは次の形になる。

H=pqhpqapaq+12pqrshpqrsapaqaras+Enn

係数は古典で計算する#

中身
hpq 運動エネルギー + 核引力の 1 電子積分
hpqrs 電子間反発の 2 電子積分
Enn 核間反発。定数

これらは古典の量子化学ソフト(PySCF、Psi4 など)で計算し、 量子計算機には係数として渡す。 量子側は基底状態を求める部分だけを担当する。

項数の問題#

2 電子積分は 𝒪(M4) 個。 量子ビット演算子に変換すると パウリ項の数も 𝒪(M4) になる。

分子 スピン軌道数 パウリ項数(目安)
H₂ (STO-3G) 4 15
LiH 12 数百
H₂O 14 千超
実用的な分子 100+ 106 以上

各項を測定する必要があるため、 項数がそのまま測定コストになる。

資源削減の工夫#

  • 活性空間の限定 — 化学的に重要な軌道だけを量子側で扱い、 残りは古典的に処理する
  • 対称性による量子ビット削減 — 粒子数・スピン保存を使って 2 量子ビット程度減らせる
  • 項の切り詰め — 係数の小さい項を無視する

これらを組み合わせても、実用的な分子は現状の実機に載らない。

参考文献#

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