量子化学の基礎

量子化学の基礎

執筆済 量子化学

出発点#

分子のハミルトニアンは、核と電子のすべての相互作用を含む。

H=Te+Tn+Vee+Vnn+Ven

このままでは扱えないので、順に近似していく。

近似の順序#

  1. Born-Oppenheimer 近似 — 核を止めて電子だけを解く
  2. 基底関数への展開 — 無限次元を有限次元にする
  3. Hartree-Fock — 電子間反発を平均場で近似
  4. 電子相関の取り込み — HF の誤差を補正

化学的精度#

1 kcal/mol1.6×103 Hartree

反応速度を実験と比べられる水準がこの精度。 全エネルギーの 104 程度の相対精度が要る。

厳しいのは、全エネルギーが数百 Hartree なのに対し、 化学的に意味を持つ差は 103 Hartree であること。 大きな数の差を精密に求める必要がある。 VQE の測定回数が 膨大になる根本的な理由もここにある。

基底関数#

原子軌道を数学的な関数で近似したもの。 STO-3G(最小基底)から cc-pVQZ(高精度)まで階層がある。

基底関数が増えると精度は上がるが、 軌道数 = 必要な量子ビット数なので、 量子計算では基底の選択が資源に直結する。

参考文献#

ノート一覧を閉じる