ハートリー・フォック法

ハートリー・フォック法

執筆済 量子化学

各電子が、他の電子の作る平均的な場の中を動くとする近似。 量子化学の出発点。

Slater 行列式#

多電子波動関数を1 つの行列式で近似する。

Ψ1N!det[ϕ1ϕ2ϕN]

行列式の形にすることで、 反対称性(Pauli 原理)が自動的に満たされる。 2 つの電子を入れ替えると行列式の符号が変わるため。

自己無撞着場 (SCF)#

軌道を決めるには他の電子の分布が要り、 他の電子の分布を知るには軌道が要る。 この循環を反復で解く。

  1. 軌道を仮定する
  2. 平均場(Fock 演算子)を作る
  3. 固有値問題を解いて新しい軌道を得る
  4. 収束するまで繰り返す

収束しないことがあり、実務では初期推定や 収束加速(DIIS)の工夫が要る。

何を取りこぼすか#

平均場近似なので、電子どうしが互いを避ける動きを記述できない。 この不足分が電子相関エネルギー。

全エネルギーの 1% 程度だが、 化学的に意味のある量はほぼこの中に入っている。 だから HF は出発点にすぎず、 その後の相関の取り込みが本番になる。

量子計算での役割#

VQE では、HF 解を初期状態として使うのが標準。

|ψHF=|11100

占有軌道に 1、空軌道に 0 を置いた計算基底状態そのもので、 準備が容易。ここから Ansatz で相関を加えていく。

参考文献#

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