LLMが文章を生成する仕組み
これまでの要素をつなげて、全体像をまとめる。
流れ#
1. テキスト → [[トークナイザ]] → トークン列
2. トークン → [[埋め込み]] + [[位置情報]] → ベクトル列
3. Transformer 層を N 回:
[[Self-Attention]] で文脈を混ぜる
フィードフォワードで変換
4. 最終層 → 語彙サイズのロジット → softmax → 確率分布
5. [[サンプリング]] で 1 トークン選ぶ
6. 選んだトークンを入力に足して 1 へ戻る各リンクは トークナイザ、 埋め込み、 位置情報、 Self-Attention、 サンプリングを参照。
「理解している」のか#
やっていることは次トークンの確率予測だけ。 この事実は動かない。
一方で、次トークン予測を高精度で行うには 事実・文法・論理・文脈の把握が必要になる。 その結果として現れる能力を 「理解」と呼ぶかは、定義の問題になる。
確実に言えること。
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
| 統計的な規則性を高度に捉えている | 内部で人間と同じ推論をしている |
| 訓練データの分布を反映する | 事実を検証している |
| 文脈に応じた出力を作れる | 自分の正しさを判断できる |
幻覚 (hallucination)#
もっともらしいが誤った内容を生成する現象。
原因は目的関数にある。 モデルは「正しさ」ではなく 「訓練分布において尤もらしいか」を最適化している。 知らないことについても、 尤もらしい形の文章を生成してしまう。
対策は外部から事実を与えること (RAG、ツール)、 あるいは出力を検証する仕組みを外側に置くこと。
このノート群でリンク検証を機械化しているのも同じ発想で、 出典が実在するかを人手や記憶に頼らず確かめるためにある。
参考文献#
- Dan Jurafsky, James H. Martin. Speech and Language Processing, 3rd ed. draft.(全文公開) https://web.stanford.edu/~jurafsky/slp3/
- Ashish Vaswani et al. Attention Is All You Need. NeurIPS, 2017. https://arxiv.org/abs/1706.03762
- Ziwei Ji et al. Survey of Hallucination in Natural Language Generation. ACM Computing Surveys 55(12), 2023. https://doi.org/10.1145/3571730