Hardware Efficient Ansatz

Hardware Efficient Ansatz

執筆済 量子アルゴリズムVQE

実機のゲートセットと接続に合わせて設計された Ansatz Kandala らが 2017 年に提案し、実機での VQE 実験を大きく前進させた。

構造#

[回転層 Ry(θ) Rz(θ)] → [CNOT を隣接ビットに] → 繰り返し
  • 回転は 1 量子ビットゲートのみ
  • もつれ層は実機で隣接するビット間だけに CNOT を打つ

これによりSWAP の挿入が不要になり、 回路が浅く保たれる。

利点#

  • 深さが小さく、ノイズに耐える
  • どんなハミルトニアンにも同じ形が使える(問題非依存)
  • 実装が単純

問題点#

1. 化学的な意味が無い

UCCSD が電子励起という物理的な操作に対応するのに対し、 HEA は単に「実行しやすい回路」でしかない。 基底状態を含む保証も無い。

2. barren plateau に陥りやすい

層を増やすとランダム回路に近づき、 勾配の分散が指数的に減衰する。

3. 対称性を壊す

粒子数やスピンの保存則を満たさない状態も探索してしまう。 物理的にありえない解に落ちることがあり、 制約をペナルティで課す工夫が要る。

位置づけ#

実機で動かすための現実解であり、 理論的に望ましい設計ではない。 この折り合いの付け方が、 NISQ 期のアルゴリズム研究の性格をよく表している。

参考文献#

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