量子化学

量子化学

分子の性質を量子力学から計算する分野。多電子系は指数的に難しく、量子計算の最有力な応用先とされる。

執筆済 量子化学

分子の性質を量子力学から計算する分野。 量子計算機の最有力な応用先とされている。

解きたい問題#

分子のハミルトニアン基底状態エネルギーを求めること。

H|ψ=E|ψ

ここから反応のしやすさ、結合の強さ、 分子構造の安定性といった化学的な性質が導かれる。

なぜ難しいのか#

電子は互いに反発する(電子相関)ため、 多電子系のシュレディンガー方程式解析的に解けない

厳密対角化(Full CI)の計算量は 電子数と基底関数に対して指数的に増える。 30 個程度の軌道で古典計算機の限界に達する。

近似の階層#

手法 電子相関の扱い 計算量
Hartree-Fock 平均場のみ 𝒪(n4)
MP2 摂動論で一部 𝒪(n5)
CCSD(T) 高精度。「黄金律」 𝒪(n7)
Full CI 厳密 指数的

量子計算への期待#

Full CI を多項式時間で、というのが期待。 ただしVQE には 測定コストと最適化の困難があり、 量子位相推定には 誤り訂正が要る。実用的な優位性はまだ示されていない。

参考文献#

ノート一覧を閉じる