ベクトル
足し算とスカラー倍ができる対象。 それだけが定義。
「矢印」という説明の限界#
2〜3 次元では矢印として描けるが、それは本質ではない。 線形代数が扱うのは足し算とスカラー倍が閉じている集合(ベクトル空間)であり、 次のものはすべてベクトルとして扱える。
「何であるか」ではなく「どんな演算ができるか」で定義するのが、 線形代数の抽象化の核心。
この分野での意味#
最適化では解候補そのものが のベクトル。 が次元で、探索空間の広がりを決める。
量子計算では 量子ビットの状態が 次元の複素ベクトルになる。 次元がビット数に対して指数的に増えることが、 古典計算機でのシミュレーションを難しくしている。
参考文献#
- Sheldon Axler. Linear Algebra Done Right, 4th ed. Springer, 2024.(全文公開) https://linear.axler.net/
- Gilbert Strang. Introduction to Linear Algebra, 6th ed. Wellesley-Cambridge Press, 2023. 講義は MIT OCW 18.06 で公開 https://ocw.mit.edu/courses/18-06-linear-algebra-spring-2010/