線形写像
この 2 つを満たす写像。足してから写しても、写してから足しても同じ。
行列との対応#
有限次元では、線形写像と行列は 1 対 1 に対応する。 基底を決めれば、写像は行列で表せる。
列は基底ベクトルの行き先。これが行列の意味の出発点。
線形であることの強さ#
線形なら、基底の行き先だけ知れば全部わかる。 個の情報で無限個の入力に対する出力が決まる。 線形代数がこれほど強力なのはこの性質のため。
逆に言えば、非線形な現象は線形代数だけでは扱えない。 微分が有用なのは、 局所的に線形近似することで線形代数の道具を持ち込めるから。 ヤコビ行列がその線形近似そのもの。
量子力学での意味#
量子力学の時間発展は線形(シュレディンガー方程式が線形)。 これは物理的な要請ではなく理論の構造で、 重ね合わせ状態が重ね合わせのまま発展することを保証する。 量子ゲートが ユニタリ行列で表せるのはこのため。
参考文献#
- Sheldon Axler. Linear Algebra Done Right, 4th ed. Springer, 2024.(全文公開) https://linear.axler.net/
- Gilbert Strang. Introduction to Linear Algebra. Wellesley-Cambridge Press. 講義は MIT OCW 18.06 https://ocw.mit.edu/courses/18-06-linear-algebra-spring-2010/